座頭市血煙り街道 (ZATOICHI CHALLENGED) [1967]

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監督-三隅研次監督 脚本-笠原良三
出演-勝新太郎 , 近衛十四郎 , 高田美和 , 朝丘雪路 , 坪内ミキ子 , 中尾ミエ



 今回も子供のころを懐かしんで邦画を取り上げます。座頭市シリーズ第17弾、三隅研次監督の「座頭市血煙り街道」です。
座頭市はルトガー・ハウアー版「ブラインド・フューリー」、ビートたけし版「座頭市」、香取慎吾版「座頭市」とリメイクされてますが勝さん以外には考えられません。
MILLAFANは子供のころガメラ、キングギドラ、座頭市、戦争映画が好きでした。座頭市シリーズは26作品を全て鑑賞してます。

主にはテレビ放映で観ていたのですが・・・本作品には近衛十四郎(松方弘樹の父親)が出演しており、近衛十四郎と言えば・・・背中に花、右袖に大、左袖に吉!・・・そうですテレビ時代劇「素浪人 花山大吉」が大好きでした。
剣を取ったら無敵の素浪人、正義のヒーローなのです。大好物はおからとお酒。居酒屋に入りおから無いと不機嫌に、おからが有ると満面の笑みを浮かべる。
口癖の「(半次を一喝する際の)このバカタレが!」は今でも脳裏に焼き付いてます。
その近衛十四郎と勝新太郎が共演している本作品はMILLAFAN的に座頭市シリーズ26作品の中で紛れもなく最高傑作であります。

ススキヶ原を殺気だったヤクザの一団が走る

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市の耳に、背後から走り寄って来る複数の足音が聞こえる。

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追って来たヤクザの一団が市を取り囲むと、「市、覚悟しやがれ!」

一瞬立ち止まり、後ろを振り向いた浪人 赤塚多十郎(近衛十四郎)

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瞬時に市の居合い斬りでヤクザは全員倒された

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「座頭!なかなかやるな!」

この冒頭シーンだけで座頭市がどういう立場の人物なのかが、座頭市を初めて見た人でも分かります。素晴らしい。

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勝さんの「座頭市の歌」が流れる。

俺達ヤクザぁ~な、ご法度の裏街道を歩く渡世なんだぞ。いわば天下の嫌われ者だ。

およしなさいよ~ 無駄なこと
言って聞かせて その後に・・・

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市は旅籠屋「とらや」で男の子良太と病気で寝ている母親(おみね)と相部屋になった。
母親が水を飲もうと起き上がった時に苦しみだした。
市が母親の背中をさすってやると・・・何とか命のある内にあの子を絵描きの父親(前原宿の庄吉)に会わせたくて・・・と市にキセル入れを託して母親は息絶えた。

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市は母親の遺体を寺に収め良太を前原宿まで連れていくことになった。

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良太は、旅芸人一座の荷車に乗せてもらい、ともえ太夫(朝丘雪路)が、「箕輪の宿まで行くので乗って行きなさい」と、市にも勧め乗せて行ってもらう事になった。

子供が出てくると座頭市の表情が緩むところがいいね

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旅芸人一座のみゆき(中尾ミエ)が歌を歌い出した。

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朝丘雪路さん綺麗ね~

正月映画らしく綺麗どころを揃えてきてます。

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箕輪の親分から迎えが来たが・・・金井の万造一家も迎えに来た。
ともえ太夫は「金井の万造親分なんて観た事も聞いた事もござんせんね。箕輪の惣兵衛親分に呼ばれて来たんです。」と言い放った。

万造一家は力ずくでも万造親分の所へしょっ引くぞ!とともえ太夫が連れていかれそうに・・・

市は助けに行こうにも良太が仕込み杖にしがみ付いて離れない。

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そこへ通りかかった浪人赤塚が「天下の街道筋で乱暴狼藉は許さん!」と万造一家を峰打ちであっという間にコテンパンですわ。
この殺陣だけ見ても近衛十四郎の凄さが伝わってきます。

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茶店で、市と良太が1個の握り飯を分け合って食べている。
腹が膨れた良太がその場で寝ると・・・
ハエが良太の上を飛ぶ・・・市は仕込み杖に手をかけた。
そこを通りかかった赤塚はそれを目に留めて立ち止まった。

市が仕込みを抜いた瞬間、赤塚は「や~っ!」と大声を出した。

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市は驚きながらも、ちゃんとハエを真っ二つに切って落とした。

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「悪い冗談をしたな」
と赤塚が声をかけた。

市は、「先日はどうも、旦那は確か、赤塚多十郎様でございましたね?」

赤塚:「どうしてわしの名前を?」

市:「街道筋でこの子と一緒にともえ太夫の馬車に乗っておりました」

赤塚:「しかしわしは、その前にも一度見ておる」

市:「知っております。メクラは耳覚えがようござんすから・・・ハハハハ」

赤塚:「なるほど」
「盲人の身で、あの様に剣を使うとは、お前ただ者ではないな」
「惜しい…、お前が常人の目を持った武士だったら…」と赤塚は嘆いた。

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市が茶店の婆さんに握り飯と草鞋のお代を払おうと巾着の中に手を入れると・・・「私の(草鞋)はね、あんまり傷んでないからね、この子のだけでいいですからね」

そのやり取りを聞いていた赤塚は
「どうだ、急がなかったら、ひとつ揉んでくれんか」と申し出た。

市は赤塚の善意にすがり肩を揉んだ。

このシーンはMILLAFAN的にとても好きな場面です。

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茶店の婆さんに庄吉の情報を得て、前原へ向かい焼き物師の太兵衛の所へ
庄吉は以前焼き物絵師として太兵衛の所で働いていたが・・・今はもういない

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太兵衛の娘おみつ(高田美和)・・・美和さんはいつ見ても可愛いですね。
庄吉とはお互いに好き合っていた。
所謂ヒロインに一番近い存在かな?

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庄吉は鬼権のところで代官手付の鳥越のために春画を書かされていた。
女将のお仙(坪内ミキ子)はそんな庄吉に同情し、

お仙:「お前さんも辛いだろうね、上げ膳据え膳で大事にされてるようだけど、何一つ自由にふるまえないんだから」

庄吉:「女将さん」

お仙:「いいんだよ、あたしだって同じさ、力ずくで権蔵に縛られて身動きも出来ずにいるのさ」
「出来ることなら二人で手を取ってここから出ていきたい」

庄吉:「いけません。人に聞かれたら」

お仙:「庄吉さん、お前さん、あたしのことを如何思ってるんだよ?」

庄吉:「如何って・・・」

お仙:「バカだねえ、あたしは」
「どうにもならない事を夢見たりして・・・嘘だよ今の話は、だから庄吉さんも聞かないことにして・・・」

いや~切ないですね

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お仙が市の手を引いて、鳥越の肩につかまらせると、

お仙:「ねえ旦那、あたし前からいっぺんお聞きしようと思っていたんですけどねぇ」
「絵描きの庄吉の事なんです、あの人は確か鳥越様が目を付けて親分にお取り持ちなさったとか」

鳥越:「お仙、お前あいつに惚れてる訳ではあるまいな」」

お仙:「まさか旦那、わたしはただ何となくあの絵描きが可哀想になって・・・一体いつになったら御用済になるんでしょうね」

鳥越:「お仙、権蔵の世話になってる女が庄吉などに詰まらぬ人情をかけるのは身を亡ぼす元だぞ」

お仙:「ええ・・・」

鳥越:「二度と口にするな!わしは何も答えんぞ」

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お仙は、用心棒を、「親分が呼んでいる」と言って席を外させ、庄吉の部屋に入り、

お仙:「お前さん、すぐ逃げるんだよ、わたしが手引きするから」

庄吉:「女将さん」

お仙:「見張りはいないから、さあ速く」

お仙:「按摩さん、訳は知らないがこの人を頼みます」

お仙は、その直後用心棒に斬られてしまった。

坪内ミキ子さん良かったです。やっぱりヒロインはミキ子さんに決定!!

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市は庄吉におみねさんと良太、キセル入れの事を話した。
この絵を観てやっておくんなさい。と良太が描いたおみねさんの顔のはずが・・・市の顔だったwww

その頃、鬼権一家が太兵衛を斬り、おみつと良太を連れ去った。

庄吉を連れて帰ってきた市は倒れている太兵衛を見つけたが・・・
おみつと坊やが権造の子分に…と告げ太兵衛は息絶えた。
庄吉は市を岩場に連れて行った。

権蔵の子分に市の仕込み杖が斬りかかる。

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見事な居合斬り
独特の間をもって爆発するようなその殺陣に圧倒されます。

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市はおみつと良太を助けた。

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権蔵の用心棒は市にあっさり斬られた・・・弱っ!

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権蔵は小池朝雄さん。

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悪役はあっさり斬られてしまいますが・・・本作品は近衛十四郎さんがメインですから

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雪が降って来た中、帰っていく市達

その時、赤塚が「市!」と呼んだ。

市:「旦那、なんかあたくしに御用でございますか?」

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赤塚:「お前のそばいいる庄吉という男を渡してもらいたい」

市:「この庄吉さんにどんな用があるんです」

赤塚:「その男を斬るのだ」

市:「旦那、気でも狂ったんですか」

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赤塚:「公儀お役目で斬るのだ!

どうしても渡さねば、市、お前も斬る!」

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おみつ:「どうか、庄吉さんを見逃してあげてください この子のためにも お願いでございます」

赤塚:「邪魔建てすれば女子供とて容赦はせぬ!」

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市:「庄吉さんは渡さねえ

侍なんてのは勝手なものだ てめえの役目さえ果たせりゃ人はどうなってもいいんですかい?」

赤塚:「こやつ!」

市:「庄吉さんは、どうあっても渡せねえ」

赤塚:「許さんぞ!」

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市と赤塚の壮絶な戦いが始まる

緊張感漂う美しさ
雪が降りしきる中、市と赤塚の一騎打ちは画面の美しさも相まって惚れ惚れします。
時代劇史上に燦然と輝く「七人の侍」に勝るとも劣らない殺陣。

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転んだ市は、斬り込んで来た赤塚の右肩辺りを仕込みで突いた。

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お互い一歩も譲らない太刀さばきが圧巻

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鳥肌ものです

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そこに隠密が駆け付け、庄吉の方へ向かった

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おみつの悲鳴で気が付いた市は仕込みを隠密に投げつけ、見事命中!

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それを見た赤塚が庄吉に迫ろうとすると素手の市が抱き着いて止めようとした。

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赤塚はそんな市に左手で刀を振りかぶり、鬼の形相になるが・・・

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やがて鬼の形相が和らぐ

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自らの刀を投げ、なりふり構わず庄吉を救うことを選んだ市に赤塚は嫉妬したのではないだろうか?

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市。わしの負けだ

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去っていく近衛十四郎がめちゃかっこいい。

積もり始めた雪に、赤塚の右肩から流れ出た血痕が点々と付いていた。

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第一級の剣豪スター近衛十四郎は、本作品で一世一代の名演技をみせた

殺陣と人間ドラマが渾然一体となっている本作品は日本映画史上屈指の名作です。

座頭市シリーズの中でも「座頭市血煙り街道」は、一味、二味、いや七味くらい違う!
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ミラちゃんと映画をこよなく愛するMILLAFANです。

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